『叩かれる女たちーテクスチュアル・ハラスメントとは何か

          発行/廣済堂出版

 長谷川清美/著

叩かれる女たち

『週刊金曜日』への記事掲載(1999年)以来、当裁判の取材を続けていらしたジャーナリスト・長谷川清美氏による『叩かれる女たち−テクスチュアル・ハラスメントとは何か』が刊行されました。当裁判、そして女性代議士へのバッシングをケーススタディとして膨大な資料から浮き彫りにされていくテクハラの実態を見つめながら、ジェンダー的視点に対する自らの感度を確認できる構成になっています。そして最後に当裁判原告・小谷真理氏を囲んでの共同討議「テクハラをめぐって」に至って、読者は新たな見地からテクスチュアル・ハラスメントとジェンダーの問題を俯瞰することができるでしょう。当裁判への理解を深めるにも絶好の一冊です。

2002年6月1日発行・廣済堂出版



書評・関連記事一覧
(★=抜粋記事あり)

西日本新聞「本と人『女性の創造認めぬ社会』」、2002年9月1日★

読売新聞「本よみうり堂」、2002年8月18日★

信濃毎日新聞、2002年8月18日★

東京新聞「今週の本棚」、2002年8月8日★

静岡新聞「日常に存在する“テクハラ”」、2002年7月14日★










・小谷真理は巽孝之(米文学者)のペンネームだと山形浩生によって記述され、
小谷真理という女性の存在が否定されそうになった。しかし小谷は裁判を起こし、
2001年12月、勝訴している。本書は、この「オルタ事件」の経緯を追う。
・続いて、田中真紀子や辻元清美、扇千景が、マスコミでどう持ち上げられ、叩かれたか
(中略)など、テクハラの仕組みが分かる。
・男の物差しとまなざしにさらされる女性−これは、作家や学者だけの問題ではない。

−−大橋由香子氏
−−静岡新聞、2002年7月14日

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・文章上の性的いやがらせ、広くは「創る」主体としての女性を否定し
 その道を阻み締め出す行為「テクハラ」の実態と構造を検証する。

−−東京新聞、2002年8月8日

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・テクスチュアル・ハラスメントとは何か?
 「文章上の性的嫌がらせ」が正解。
 『二〇〇二年現代用語の基礎知識』で、二〇〇二年の新語として追加された。
・テクスチュアル・ハラスメントが、「創る」主体を否定し、創作活動を阻み、
 創作者としての道を閉ざす行為だということがよくわかる。

−−大原まり子氏
−−読売新聞、2002年8月18日

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・本書は裁判の傍聴を続けた著者が、現代のテクハラのありようを描き出そうとした試み。
 裁判の経過を軸に、テクハラが社会の各所に広がっているさまをデッサンし、
 週刊誌の中で女性国会議員が、ファッションや容姿など“女性”としての
 立ち居振る舞いで語られる様子を、実例で検証。
・小谷氏や上野千鶴子氏らとの座談会では、テクハラを生み出す社会の構造を浮き彫りにする

−−信濃毎日新聞、2002年8月18日

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・日常生活では、こんな顔をして現れる。
 「あの本って、実は彼女のダンナが書いたんだろ。彼女じゃ無理に決まってる」
 これすなわちテクハラ。ものをつくる女性の存在を否定する言語道断の行為なのだ。
・「とにかく『テクハラ』という言葉を知ってほしかった」。自著を夫の作品とされた
 SF評論家、小谷真理氏が起こした「テクハラ訴訟」を四年がかりで追いかけた
 長谷川さんは、執筆の動機をそう語る。
・中でも週刊誌などのメディアが展開する「ステレオタイプの女性像」については厳しく批判。
 「女性の生き方を縛る考えや制度は一つ一つ疑っていきたい。私にとってフェミニズム
  (女性学)とは生きにくさの表明なのです」と力を込める。

−−島倉氏
−−西日本新聞、2002年9月1日

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